【書簡】配達士に託して
親愛なるエスティニアン エスティニアン、お前が皇都を去って久しいな。元気でやっているか。 お前はどうやら各地を旅しているらしいと、英雄殿から聞いたよ。今日はどこを訪ね、何を見てきた? どんな人々と出会い、何に触れた? 役目を終えた騎士はやが…
鉄格子の向こうへ手を伸ばすと、エスティニアンがいぶかしむような顔をして近寄ってきた。 「だが、理解しようとすることはできる」 「望んでいない」 「私がお前を理解したいだけなんだ。勝手にさせてくれ」 私が伸ばした手に、エスティニアンが掌を重ねた。