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【書簡】配達士に託して

親愛なるエスティニアン エスティニアン、お前が皇都を去って久しいな。元気でやっているか。 お前はどうやら各地を旅しているらしいと、英雄殿から聞いたよ。今日はどこを訪ね、何を見てきた? どんな人々と出会い、何に触れた? 役目を終えた騎士はやが…

蒼の竜騎士よ、希望の咆哮を轟かせよ

蒼の竜騎士拝命の直前。エスティニアンが邪竜に自我を掻き乱されていると知らされたアイメリクは、エスティニアンとの対話を試みる。
 鉄格子の向こうへ手を伸ばすと、エスティニアンがいぶかしむような顔をして近寄ってきた。 「だが、理解しようとすることはできる」 「望んでいない」 「私がお前を理解したいだけなんだ。勝手にさせてくれ」 私が伸ばした手に、エスティニアンが掌を重ねた。

道標

 私が援護がてら残ったことは、エスティニアンにとってはなかなかに幸運だったはずだ。私も、一人でとぼとぼと帰還するよりずっとよかった。エスティニアンは戦いの後しばらくして、思い出したように、腹と背が痛いと言いはじめた。キャンプに戻る道の途中で…

エスティニアンは黒き竜の夢を見るか

たまごはいつ孵るかしら。赤き子竜は、父の巣で温められている卵たちの周りを、くるくるととびまわる。まちどおしいわ。まだかしら。ねえ、にいさん。黒き竜は、すう、と飛び上がり、父と四つの卵たちをみおろす。ああ。まちどおしいな。いかなるつばさたちで…